鵜のまねする烏


 手前のお皿の食べ物、何だと思いますか?
 中国語で螺蛳(luo2si)。 お店の人に薦められて、注文しました。
 後から判ったのですが「田螺 たにし」でした。

 お昼時も過ぎていたので、注文してから待つことなく、テーブルに運ばれてきました。「食べ方がわかりません」と言うと、服務員が「爪楊枝で中の身を出して手前の硬いところを食べてください。奥の方にある軟らかいモノは食べないでください。」と教えてくれました。

 では、ではと一個大振りのを掴み、爪楊枝を差し込みましたが、身を出すことが出来ません。一旦、皿に戻し、指についた汁を舐めると、ピリ辛の油炒めで、なかなかの味ではありませんか。老眼鏡をかけて再挑戦、やっと引き出し、一噛み、少し泥臭さはありますが、貝類の持つ独特の旨みがありました。

  私がこの田螺に悪戦苦闘している時、対面のテーブルに40代後半と思われる、男女がこちらを向いてテーブルに着いて、点菜(料理を注文)しました。その内の一品は私と同じ田螺で、注文量も私の3倍位あるのか、お皿に山盛りでした。彼等は器用に箸で掴み、口元に持っていって、一息に中の身を吸い込んみ、その殻をまるで、葡萄の種を飛ばすが如きにテーブルに吐きだします。そのスピードの速いこと、流れ作業を見ているかの様です。 たしか、服務員は奥のモノ(多分貝の内臓部分?)は食べないでと言っていた(寄生虫がいる場合があるそうです)のだが、お構いなしのようです。恐るべし中国人!!

 それならと私も真似てみることにしました。既に指は田螺の汁で汚れているので、そのまま指で掴んで、口に運んで、吸い込みましたが身は出てきません。この時よく見ると田螺のグルグル巻いた先端は切り取られていました。だから片方から吸い込むと身が飛び出す仕組みに成っていた事が判りました。別の田螺に取替え再挑戦、やはり結果は駄目でした。バキューム・パワーをフルにして、再々挑戦。いきなり、ノドチンコに田螺が突貫して、咽ました。正に「鵜のまねする烏」で、カラスが鵜のまねをして水にもぐって魚を捕ろうとすればきっとおぼれてしまう 今の私はカラスと同じと思い食べるのを諦めました。 その間にも前の二人はどんどん食べて、テーブルの上に殻が積もっていきます。気になるのか時々上目使いでこちらを見ています。嘲け笑っているかのようにも感じました。


写真の右奥は「獅子頭」(中華風、揚げ煮込みハンバーグ)です。学食にもあり、よく食べます。

写真の左奥は、野菜の名前は忘れましたが、青菜のニンニク炒めです。

この他に、「揚州炒飯」(中国で一番美味いと言われるチャーハン ここのはニセモノ)とビールをもう1本で、丁度50元(約700円 日本円)でした。